凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
「私、神楽丈慈(かぐらじょうじ)と申します。こっちは妻の天音(あまね)。あの…失礼ですが…、もしかしてF1レーサーの…?」
あー知ってた?
「はい。佐久間伊吹です。こっちは…妻の琴。無事で良かったです。俺が駆けつけた時にはもう…ははは」
フィアンセと言おうとして、俺は妻と紹介した。
よそ見すんなよと。
そして琴を見ればやはり驚いた顔をしている。
俺だってやきもち妬くんだぞ。
そんな気持ちで琴を見下ろす。
それからさっきの二人の熱い抱擁を見てなんだか悔しくなってしまった。
俺だって早く結婚したいのにと。
「つ、妻…の琴です…」
そう言って恥ずかしそうに話を合わせる琴。
「本当に助かりました! ありがとうございます! もう見事な背負い投げ、ほんっとにカッコ良かったです! 私、運動神経悪くて羨ましい限りです」
と奥さんがテンション高めで言っている。
「い、いえ…つい…ははは」