凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
そして酒も進みようやく俺も敬語も外れ、呼び捨てはさすがに無理で君呼びになった頃、丈慈君が何やらニヤっと笑う。

なんだ?

「ところで伊吹。何かあった?」

「え?」

「指輪付けないタイプ?」

やべ。
だよな。

俺は早々に諦めた。

「いや実は…夫婦じゃないんだ」

丈慈君は驚いた顔をする。

「え? 本当? あ、俺地雷踏んだ?」

「いや、大丈夫。俺が丈慈君に対抗してカッコつけただけ」

「対抗?」

「馬鹿だよな。本当はまだ婚約中なんだ。ちょっとあん時いろいろあって、あんな言い方した」

「それがなんか落ち込んでる原因か?」

落ち込んでるように見えたらしい。
普通にしてたつもりだったけど。

もしかして、だから誘ってくれたのか?
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