凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
「周りは関係ないよ、伊吹」

俺は黙る。

「普通の仕事してたって、無理なもんは無理だし。お前のその焦りみたいなのが、彼女は嫌だったんじゃねぇの?」

確かに。
とりあえず入籍しようみたいに聞こえたのかもしれない。

普通の仕事してたら…
とか言ってしまったし。

あんなに応援してくれてるのに。

そうか。
そういう事か。

確かに、カッコ悪かったな。

「やっぱり俺、まずは今シーズン最後まで集中してやり切って、また言ってみるよ」

「ああ。それでこそ世界の佐久間伊吹だよ」

世界の佐久間伊吹…か。
そうだよな。

「それに俺、彼女に会ってからすこぶる調子が良いんだ」

「ちゃんと彼女を信じてる証拠じゃないか」

そっか…

「大丈夫。きっと彼女は全部わかってくれるよ」
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