凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
「……しろ! しっかりしろ! 大丈夫か!」

ハッと意識を戻した。

そこには私を抱えたまま、私に向かってあの佐久間伊吹が…

「おい!」

いけね。
また気を失う所だった。

どうやら気を失ったのも一瞬だったようだ。

「だ、大丈夫です。すみません」

私は驚きと恥ずかしさで顔を上げられない。
カッコよすぎなのよ!

「本当に大丈夫? これ、はい」

佐久間伊吹は私に拾ったイヤホンを渡す。

どうやら、私の隣で爆走していたのはあの佐久間伊吹だったようだ。

全く気付かなかった。

今は夜遅くの時間帯で、ジムのスタッフはいない。

周りの人も私たちに心配して注目してしまっている。

「あ、あの。本当に大丈夫です。すみません。ありがとうございます」

私はなんとか答え、佐久間伊吹からイヤホンを受け取る。
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