凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
「向こうのベンチで休んだ方がいいよ」

そう言って有無を言わさず背中を押されてベンチまで連れて行かれた。

そして何故か隣りに座る佐久間伊吹。

こ、こんな…
急に…

憧れていた本人が…

「あのさ、君、今日空港で…」

げ。
覚えられていた。

「あ…あははは。奇遇ですね」

「あんたストーカー?」

へ?

「飛行機も同じで、空港の駐車場もランニング中も隣りきて、レース動画も見てたよな?」

ぬぁっ!

そうだった。
隣りに本人がいるのに私は堂々と見ていた。

「ち、違います! ぐ、偶然です、偶然!」

彼は分かりやすく嫌そうな顔を見せる。

これ信じてないやつ!

「いや本当に! あなたが佐久間伊吹だなんて知りません!」

言ってから私は墓穴を掘った事に気づく。



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