凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
私は怪訝な顔で佐久間伊吹を見る。

「ちょ、悪かったって。何もしないから、開けて窓。これじゃ渡せないだろ」

悪かった?
はっ、笑える。

どうせ思ってないでしょ。

あんたの腹黒はバレてんだぜ。

でも財布は受け取りたい。

私はまた少し窓を開けた。

するとその隙間から財布を入れようとする佐久間伊吹。

そしてぼとっと私の膝の上に落とされた。

私はとりあえず中身を確認する。

「何も取ってねぇよ」

それは本当らしい。
何も取られていない。

私は無言で窓を閉めて、そのままお礼も言わずに佐久間伊吹を見る事もなく車を出した。

なんか視界の中で喋ってたような気もしたけど無視した。

私は好き嫌いがハッキリしている性格なのは自分でも自覚している。

佐久間伊吹は私の中で一番嫌いなタイプだ。

いくら顔が良くても、もう無理。

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