凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
「んで…まぁ、美人だったから夜どう? って。なんか遊んでそうな見た目だったし。したら投げ飛ばされた」

うん。
今落ち着いて思い出せばめっちゃタイプの顔立ちだった。

「イブさ。馬鹿なの?」

「は?」

「誰でも自分について来ると思ってんのが間違い」

4歳も離れた弟に諭される。

何も言えねぇ。

「ストーカー扱いされた上に、遊んでる女扱いされたって事でしょ?」

「まぁ。そうね」

「そりゃ投げ飛ばされてもおかしくないよ」

「そすか…」

「それでモヤモヤしてたわけね」

「まぁ…そんな感じ」

「ゲームでもする?」

なんでだよ。
まぁ、いいか。

「するか。お前泊まってけ」

「はいはい。朝まで付き合いますよ」

そうして久しぶりに兄弟で馬鹿デカいテレビの前に並んでレーシングゲームをする。

「あークソ!」

「くははは! それでもF1レーサー?」

「うるせー。リアルじゃ負けねぇ」

完膚なきまでにこてんぱにやられる俺。
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