凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
「私、これまで何も経験した事ないの」

「は?」

「何よ。いいでしょ別に」

「あ…そう。でもモテたっしょ?」

モテたっていうのか?

「ナンパはよくされるけど…」

変なのばっかりだよ。

「ついていかなかったんだ?」

「うん。理想の人が現れるまで大事にしてるの」

何でこんな事伊吹に言ってんだか。

「へぇ。いいじゃん、そういうの。男は嬉しいよ」

意外だ。
肯定された。
この人、聞き上手だよね。

「笑わないんだね」

「なんで? 笑うとこ?」

「いや…?私の友達はさっさと諦めろって言うから」

「理想の男?」

「うん。漫画のヒーローみたいな人」

「漫画とか読むの?」

そっち?

「めっちゃ読む。大好き」

「少女漫画?」

「うん」

「へぇ。楽しいの?」

「楽しいよ? 甘酸っぱい恋愛がそれは美しく描かれてて、キューンてなる!」

「ははは。例えば?」
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