凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜


すると伊吹がこれからはまたレースが始まるからあまり会えないと言い出す。

せっかく自分の気持ちに気付いたばかりなのに…

ついしゅんとしてしまう。

そっか…あまり会えなくなるのか。
でも仕事だし仕方ない。

これが大人だよね。

なんて思っていれば、レースを観戦しに来るか? と聞かれて一気に嬉しくなる。

私が行くと即答すると、伊吹に頭を撫でられた。

ヤバい。
めっちゃいい。

でも伊吹はハッとして手をすぐに離した。

私がもう終わりなのか聞くと、またポンポンとされて"ここではな"なんて甘い言葉が返ってきて胸が熱くなった。

しかも聞くところによると、私が可愛いと思っていた兎ちゃん系の女の子はタイプじゃないらしい。

なんなら嫌いだと。

なるほど。

て事は私もまだ可能性があるのか?
莉央羅と環が言っていたのは本当なのか?

なんて思いながらまたケーキを頬張った。

甘い。

さっきよりもずっと。

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