それぞれの幸せの形

思い出では幸せになれない

優香を実習のときに見た時はそこまで接点はなかったし、ほとんど喋らなかった

でもある日、実習終わりに優香が屋上で落ち込んでいる姿を見かけたとき、後ろ姿がなんとなく麗奈に重なって見えた

容姿がとか性格がとか、ではないが、どこか似た雰囲気を感じた

「れ、な、、?」

違うのに、なんでだろこんなの初めてだった
優香は優香なのに、麗奈ではない

そんなの分かってたのに頭から離れなかった


それから優香が本格的に看護師として同じ病院で働くことを知って、とにかく話しかけようと思っていた
あの時あまり喋らなかったし

またあの時みたいに屋上で落ち込んでいる優香を見て話しかけた

「優香ちゃん?久しぶりだね」


そうしてだんだんと優香と話していくうちにちょっとずつ麗奈と重ねることは減っていき、優香自身と向き合えるようになった
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