異世界恋愛でしか摂取出来ない栄養がある。
 任地である辺境に戻っているブライアンは、油断して攫われてしまい、気がつけば犯罪の証拠の残るアジトに放置。

 そこに踏み込む、王都の騎士団。罪名は、王太子エイドリアン……王族殺しを企んだため。

 獄中で人が変わってしまうほどのむごい拷問。酷いよね。半分とは言え、同じ血を受け継いだ弟なのに。

 けど、ブライアンが攫われなければ、それは絶対に起こりえない。私がそれを全部防いでしまうので、王様は地団駄踏んで悔しがると思う。

 私は王様の弱みだって握っているもの。いざとなれば、それを出すまで。

「エステラ……ここに居たのか。馬車から離れれば、危ないと言っただろう?」

 夜間、私は人知れず護衛してくれるテレンスのお手並みを拝見していたんだけど、馬車の近くに焚かれた火からかなり離れてしまったようだ。

「……ブライアン様」

「ここは危ない……早く戻ろう」

 危なくはない。だって、私が全部ブライアンが陥れられそうな罠は事前に取り除いておきますので。

 それは、一生……言わないけどね。

「ええ。大丈夫です。ブライアン様が一緒なら、きっと大丈夫ですね」

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