異世界恋愛でしか摂取出来ない栄養がある。
 本来なら彼の身分を考えれば王を守る近衛騎士団団長にもなろうというものだけど、ブライアンを嫌う兄王の企てで彼はいつも冷遇されていた。

 そんな腫れ物のような立場にある男性と結婚したいと思う女性も少なく、ブライアンは二十五歳になっても未だに独り身。

 今は八つ年の差があるけれど、私もOLをやっていた現代世界の年齢を考えると、ちょうど釣り合う。

 となれば、異世界恋愛ものの醍醐味……好きだったヒーローを救う展開になるのでは!?

 私は『本当に良いのか?』と何度か確認するお父様から、正式に縁談を打診してもらい、うきうきとして彼の返事を待っていた。

 エイドリアンが好きだったと言えば好きだったんだけど、エイドリアンはヒロインシャロンと結ばれて欲しいの。公式カップルの邪魔はしたくないという、私の『ドキデキ』オタク心による希望。

 シャロンに生まれ変われば良かったんだけど……正当ヒロインの邪魔をしてまでは、モブと結ばれてはいけない気がする。

「……本当だったのか?」

「何故……嘘をつく必要があるんですか?」

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