キミのために一生分の恋を歌う② -last stage-
噴水池に到着すると、いつものベンチを探す。
そこにはもう愛しい人がいた。
「やっと来たか」
「途中ですみちゃんと麦に会ったの。別にサボってた訳じゃないし」
「とにかく横に座って」
晴が指をさすので大人しく座った。
酸素を測る機械をつけられ、同時に腕を掴まれ脈を測ってここはまるで診察室。
それも慣れたけどね。
「最後にいつものルーティンがしたいと言うから許可出したんだけど、無茶するよなぁ」
「だってー」
「君は数日前にはICUにいたんだよ」
「若いっていいよね」
「遺書みたいな手紙も読んだし」
「知ってる。ひまわりはあそこだけに入れてた歌だもん」
「小夏の愛が溢れんばかりにこもってたな」
べしっと叩くと、そのまま晴に手を掴まれて無理やりキスされた。
「お返しだ。あんなの読まされたら一生離したくなくなる」
「別にいいよ、離さなくて」
「覚悟しとけよ」
「なんの?」
「僕と一生を添い遂げる覚悟」
「ふふ。考えとく」
「これだから小夏は」
晴はまたキスをして今度は口の中にも入ってきた。
私もそれに応えるように晴のことを受け入れる。
「あ、一生ならさ。まだ言えてないこと、ひとつだけ言っていい?」
「なんだ?」
「私のファーストキス、実は冬夜なんだよね」
「……まぁね。そんな気は、してた」
「でもちがうの。不可抗力っていうか。私も確かにあの時は好きだったけど」
「いいよ、焦らなくて。僕が塗り替えるし。それにキスだけだろ? 僕が冬夜さんを超えたらいいんだよ」
「もう……」
晴ならもう冬夜をとっくに超えているんだけど。
当たり前のようにそこに居て、たくさんの思い出をくれて。付き合って。
初めてをたくさん経験できた。
晴とだから。
もう彼のいない人生は考えられなくて。
「私、晴が居ないともう息がうまく出来なくなっちゃった」
「そりゃ大変だね。ずっとそばにいて診ていてやるよ」
「うん! 私ね、晴が大好き」
「知ってるよ」
まだ足りない、もっと分かってと私は頭を晴の身体に擦り付けて、ぎゅっとして頭を撫でてもらった。
ほら満足したならじゃあ帰るぞと晴が手を繋いでくれる。
無理するなーとか、気持ち悪くないかーとか、小うるさく言う声すらもすごく幸せだった。
そこにはもう愛しい人がいた。
「やっと来たか」
「途中ですみちゃんと麦に会ったの。別にサボってた訳じゃないし」
「とにかく横に座って」
晴が指をさすので大人しく座った。
酸素を測る機械をつけられ、同時に腕を掴まれ脈を測ってここはまるで診察室。
それも慣れたけどね。
「最後にいつものルーティンがしたいと言うから許可出したんだけど、無茶するよなぁ」
「だってー」
「君は数日前にはICUにいたんだよ」
「若いっていいよね」
「遺書みたいな手紙も読んだし」
「知ってる。ひまわりはあそこだけに入れてた歌だもん」
「小夏の愛が溢れんばかりにこもってたな」
べしっと叩くと、そのまま晴に手を掴まれて無理やりキスされた。
「お返しだ。あんなの読まされたら一生離したくなくなる」
「別にいいよ、離さなくて」
「覚悟しとけよ」
「なんの?」
「僕と一生を添い遂げる覚悟」
「ふふ。考えとく」
「これだから小夏は」
晴はまたキスをして今度は口の中にも入ってきた。
私もそれに応えるように晴のことを受け入れる。
「あ、一生ならさ。まだ言えてないこと、ひとつだけ言っていい?」
「なんだ?」
「私のファーストキス、実は冬夜なんだよね」
「……まぁね。そんな気は、してた」
「でもちがうの。不可抗力っていうか。私も確かにあの時は好きだったけど」
「いいよ、焦らなくて。僕が塗り替えるし。それにキスだけだろ? 僕が冬夜さんを超えたらいいんだよ」
「もう……」
晴ならもう冬夜をとっくに超えているんだけど。
当たり前のようにそこに居て、たくさんの思い出をくれて。付き合って。
初めてをたくさん経験できた。
晴とだから。
もう彼のいない人生は考えられなくて。
「私、晴が居ないともう息がうまく出来なくなっちゃった」
「そりゃ大変だね。ずっとそばにいて診ていてやるよ」
「うん! 私ね、晴が大好き」
「知ってるよ」
まだ足りない、もっと分かってと私は頭を晴の身体に擦り付けて、ぎゅっとして頭を撫でてもらった。
ほら満足したならじゃあ帰るぞと晴が手を繋いでくれる。
無理するなーとか、気持ち悪くないかーとか、小うるさく言う声すらもすごく幸せだった。