御曹司様の一目惚れ人生ゲーム〜私はただ愛されたかっただけ〜花村三姉妹   葉子と仁の物語
そっと両手を俺の胸元に置いた彼女にいきなり力強く押され、俺たちの間に距離ができる、ひと二人分の。ふっと冷笑した彼女が言い放った。


「とんだ似非(えせ)王子だわね。これがあんたの正体?」


いつも素っ気ないが、礼儀正しい態度と言葉遣いで接してくれた葉子ちゃん。突然の変化に驚きつつも、なぜかこのことに、さらに彼女に対しての興味と共感を持ち、興奮してしまった。


「ああ、そうだよ。これが素の俺だよ。おまえ、俺と同じ匂いがするな……」

「あんたこそ、あたしのこと何も知らないくせに。一緒にしないでよね! あたしはあんたみたいな、ボンクラボンボン御曹司が大嫌いなのよ!」


彼女の切れ長の美しい二重の目がさらに吊り上がり、まるで威嚇しているペルシャ猫のようだ。この姿にゾクゾクし、何としても俺のものにすると密かに誓った。


俺の一目惚れをなめんじゃねぇーよ。しかし、女にこんな感情を持つのは初めてだ。こんな口調になるのも初めてだな、家族以外では。それに俺みたいなボンクラボンボン御曹司って?慶智の王子たちはみな、ボンクラボンボン御曹司じゃねぇかよ。何で俺だけなんだよ?


「何も知ろうとしないのはおまえの方だろう? 何を怖がっているのかい、お嬢ちゃん?」


葉子ちゃんを煽るように挑発してあげる。
さあ、乗ってくれ。


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