御曹司様の一目惚れ人生ゲーム〜私はただ愛されたかっただけ〜花村三姉妹   葉子と仁の物語

彼女

彼が、ジェイドが行っちゃった……。
体調が悪く、発熱している私を置いて。


この12月の雪の日、出張中の圭衣はあと2日は戻らない。大学生になっても、12月に体調を崩して寝込むのは昔のまま、祖母を亡くしてからだ。


もしかしたら、この時にはすでに、気がついていたのかもしれない、彼の態度のさらなる変化に。付き合い始めた頃の優しく思いやりのあるジェイドは、もういないって。


おでこに置かれたひんやりとした手が気持ちいい。


誰だろう、この手? 大きくてゴツゴツしているが、こうしていられると安心する。


お願い、もう少しそのままで。
お願い、もう少しそばにいて。
お願い、もう一人にしないで。




気がつくと、いつもは使っていない自分のベッドの上にいた。


次第に昨夜の記憶が甦る。牛丼を食べて、お茶をして、仁と話をして、急に寒気がして……、その後の記憶がない。焦って布団の中の自分をチェックし、服を着ていることに一種の安堵を覚えた。


その時、ドアがノックされ、美愛が白湯を持ってきてくれる。


「ようちゃん、気分はどう?」

「ちょっとダルいかな。今年も寝込んじゃったよ」

「今年は特に忙し過ぎたんだよ。昨日のこと覚えてる? 今朝私が来るまで、仁さんが看病してくれたんだよ」


えっ、覚えてないよ。まさかあいつが?


「ご飯を食べて、お茶したあたりまではハッキリ覚えているんだけれど……」

「仁さんが母さまに連絡してくれたのよ。薬と飲み物も買いに行って、用意してくれたの」


あの男が?

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