御曹司様の一目惚れ人生ゲーム〜私はただ愛されたかっただけ〜花村三姉妹   葉子と仁の物語
「そうなんだ。後でお礼を言っておくよ」

「あのね、あのね、ようちゃん。聞いたよ、二人がお付き合いしてるの!」


チッ、あのエセ王子! 人が具合が悪く寝込んでいる隙に。確かに家族に伝えるとは言ったけれど、人がぶっ倒れたときに普通それをする? 腹黒い奴め。


「ようちゃん、私嬉しいんだ。仁さんは優しくていい人だし、ようちゃんにももっと幸せになって欲しいから。お似合いだと思うよ」

「う、うん、ありがとう……」


グゥゥゥ〜〜


こんな時でもお腹は鳴るのね。美愛がおかゆを作ってくれる間、サッと汗を流すためにシャワーを浴びた。




昨日久しぶりにイヤな夢を見た。ちょうど一年くらい前に発熱した時のこと。あの日、アパートに来て私が寝込んでいるのを知ると、たった一言残して帰って行った。『移りたくないから帰る』と。


あの時、もう元彼のジェイドにとって私は完全に不必要で不都合な人間だったんだろう。きっと彼は私と別れる機会を待っていたんだ。でも、何となくわかっていた。


今さらジェイドのことを考えても、どうにもならない。もうとっくに終わったこと。ハッキリと言えることは、彼に未練は全くない。


でも信じていたのに、愛していたのに、『捨てられた』ということに胸が今でも締め付けられ、口中にあの嫌な苦味がゆっくりと広がる。あの人たちとジェイド……、二回も。

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