御曹司様の一目惚れ人生ゲーム〜私はただ愛されたかっただけ〜花村三姉妹   葉子と仁の物語
頭の中で点と点が線で繋がれていく。警笛音と口の中に嫌な苦味が広がり、しばらく頭の中が真っ白になった。


『この人はキケン、また傷つく』


ここには居たくない。
仁のホテルには居たくない。
早くここから離れないと。


胃がむかつき始め、吐き気がする。席を立ち、何気なく彼女の方を見ると、仁の秘書である小鳥遊大輝さんが女性と話をしている。


いつの間に来たのだろう? 


小鳥遊さんが女性と面識があるということは、やはり彼女は仁とお見合いをして、いずれ結婚するんだろう。ハッと私に気がついた彼がこちらを見ているが、素知らぬふりをして足早に喫茶室を出た。




ホテルの外に出て、タクシーを捕まえる。乗る直前に大声で名前を呼ばれた気がする。


「葉子さん!」


後ろを振り返ることはせず、そのまま乗り込んだタクシーが走り出した。




金曜日の夜だからか、地元は思った以上の人混みで、特に海外からの観光客が多い。この時間帯はライトアップされた夜のお寺を見ることができる。人混みを避けながら橋へ向かう。


あれ、霧のような雨?


傘もささずに橋の上から暗い夜の川を眺めていると、過去の出来事が走馬灯のように駆け巡る。幼い頃のおばあちゃんとの思い出、花村家との出会いや嬉しく楽しかったこと。続いて苦しくて、辛くて、悲しいジェイドのことも。

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