ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜7
「ということで、アルデルンさんの笑顔を素敵にするためにがんばらせていただきます!」

 はりきるエリナを見て、熊のアルデルンは「どういうことなのだ?」と困った顔をしている。

 ここは、王都警備隊の本部だ。青弓亭で朝食を取った後、エリナはルディに連れられてやって来た。
 ルディは、部下であるアルデルンに声をかけた。職場なので、アルデルンも直立不動で応える。

「アルデルン、これからおまえは、俺の後を引き継いで隊長職に就くことになる」

「はい!」

「王都を守る警備隊は、その強さや威力を見せて秩序を守る、ということも大切だ」

「はい!」

「だが、いたずらに恐怖心を煽ってはならないのだ。時には優しく穏やかに王都の民と関わる場面もあるだろう」

「はい!」

「だがな、アルデルン。おまえにも自覚があるだろう。熊の笑顔が怖すぎるのだ」

「……はい」

「そんなおまえに朗報だ! エリナがこの困難を解決する方法を模索してくれた!」

「はい?」

 エリナはこほんと咳払いをした。

「ええとですね。どうして怖い笑顔になってしまうのか、その原因を推測したところ……アルデルンさんの顔の筋肉が、今まで充分に使われていなかったため、固くなって表情の動きを阻害していると考えられます」

「顔の、筋肉?」

「はい」

 エリナはにっこり笑って頷いた。
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