ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜7
「それでは、わたしがモフモフマッサージを行います! アルデルンさんは顔を熊にして、わたしの手が届くようにしゃがんでください」

 アルデルンがルディに目で尋ねると、狼隊長は『エリナの言う通りにしろ』というように頷いた。

「よくわからんが……頼む」

 身体を低くしたアルデルンが頭を獣化すると、エリナが嬉しそうに「にゃあん」と鳴いた。相変わらずのモフモフ大好きぶりに、ルディは『熊よりも狼の方がいいだろう?』とエリナに迫りたい気持ちを抑えた。

「じゃあ、熊さんの顔をモフモフ……じゃなくて、モミモミしますねー」

 エリナは毛むくじゃらの顔に小さな手を当てると、素晴らしい速さで顔を揉みほぐし始めた。

「こっ、これは!?」

 一瞬目を見張った熊だったが、すぐにとろけて焦点の合わない瞳になっていく。

「顔が……ゆるむ……なんだ……いったい、なにが……」

 あとはもう言葉にならなかった。
 ここが個室でよかった。エリナのゴールデンフィンガーに顔の奥底から揉みほぐされたアルデルンは、またたびをもらった猫のように完全に忘我の境地に陥ってしまったのだ。
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