僕は彼女をこよなく愛している
「――――実陽、ごめん!」

ゲームセンターに着いてすぐ霞月がトイレに向かい、実陽、琢三、乃庵はトイレ前にいる。

乃庵が実陽に頭を下げた。

「え?」

「さっきの話、霞月の前ですべきじゃなかった。
カヤの名前も出して…ごめん!」

「ううん!
いいんだ。
二人の言いたいこと、わかるから!」

「実陽…」

「るなちゃんってさ。
すっごいクールで、マイペースな子なんだけどさ。
本当は、誰よりも他人思いなんだ。
僕のメッセージはすぐ返してくれるし、なんだかんだで気にかけてくれるし、僕のワガママ聞いてくれるし(笑)
不器用だから、全然伝わらないんだけどね(笑)
…………最初はね。
本当にただ…“めっちゃ可愛くて美人”ってだけだった。
でも一切笑わないし、こっちから話しかけないと話をしないし、何考えてるかわかんないし…(笑)
正直、損してるって思ってた。
せっかく、容姿が綺麗なのに!って。
でも、初めてデートした帰りにね。
言ってくれたんだ!
―――――“私のことを、ちゃんと見てくれてありがとう”って!
今までの男は、るなちゃんの容姿しか見てくれなかったって言ってた。
それで、ふわって笑ってくれた。
…………その笑顔がとにかく綺麗で…//////
今でも忘れられない。
そのくらいその笑顔に惚れて、すっかりハマってるんだ!
またあの笑顔見たいって思って、夢中になってて、離れられなくなった……みたいな?(笑)」

「そっか!」
「ベタ惚れだな!」

「フフ…まぁね(笑)
正直、カヤ含めて今までの彼女には、こんな風に思ったことないんだ……!(笑)
るなちゃんが初めてだよ!」

そう言ってふわりと笑う実陽を見て、琢三と乃庵は(本当に好きなんだな……!まさに“運命”ってやつか…!)と感じていた。


霞月がトイレから出てきて、ゲームセンター内をゆっくり回る実陽達。

「あ!るなちゃん、(うれ)ウサだ!」

「あ…ほんとだ」
(わぁ…可愛い…!)

最近流行りのキャラクター“愁ウサ”
愁いを含んだ、切ない表情の兎のキャラクターで霞月の好きなキャラクターなのだ。

そのぬいぐるみのクレーンを実陽が見つけ、指差し霞月に知らせる。

物欲しそうに見えたのか、実陽が「取ってあげる!」と言い、財布から小銭を出した。

3回程、ぬいぐるみをずらして……

「…………はい!るなちゃん!」

「……//////ありがとう」
(実陽、凄っ…!!)

受け取り、ぬいぐるみを見つめる。
「……//////」
(可愛い〜!!)

「……//////あ…」
「霞月が笑ってる…//////」
「ほんとだ…//////」

思わず笑みが出ていた、霞月。
その微笑みを見て、実陽達は見惚ていた。

「あ、そうだ。
乃庵くん、明後日は忙しいですか?」

「え!?」
突然話をふられて、少々動揺する乃庵。

「え?あ…えーと…」
その様子に霞月の瞳が揺れ、ぬいぐるみをギュッと抱き締めた。

「あ、ご、ごめんね!
それで?」

慌てて聞き直した。

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