僕は彼女をこよなく愛している
準備をして、マンションを出た。
駅までゆっくり歩く。

「………」 
「………」 

基本的に、実陽が話さないと会話がない二人。 
でも、こんな沈黙も二人にとってはそれなりに心地良い。

「るなちゃん」
「ん?」

「アツミ教授の講義の時、僕はカフェにいるからね」
「あ、うん、わかった」

「なんかあったら、すぐ連絡してね?」
「うん」

「飛んでいくから」
「うん」

「………」
「………」

「ねぇねぇー」
「ん?」

「サボ……」
「あ、サボらないからね!絶対に」

「うぅ…」
「………」
(ほんと、わかりやすい人…(笑))

「もう!!」
「何?」

「るなちゃんは、僕と離れて淋しくないの!!?」
「うん」

「なんでー!」
「だって、基本一人が好きだし」

「………」
「………」

「じゃあ、いいの!?」
「何が?」

「今日、相手してあげないよ!?」
「は?」

「手、離すよ!?」
「は?」

「電車の中でも、人が多くて押し潰されそうになっても守ってあげない!」
「………」

「大学でも、隣に座らないからね!」
「………」
(実陽、何言ってんだろ?)

「ランチも別々だし!
家に帰っても、ホールドしないし、お風呂も一緒に入らないし、極めつけは!寝る時も抱き締めてあげない!!
僕、座椅子を倒して寝るから!」
「………」

“どうだ!”と言わんばかりのドヤ顔・実陽。

「…………ベッド」

「え?」 

「優しいね、実陽」

「は?」

「別々で寝るって言っても、実陽は座椅子なんだね」

「え、だって…るなちゃんを座椅子で寝せるわけにはいかないし…
座椅子、寝にくくて痛いだろうし…」

「そうゆうところ、好きだよ」

「え…!?//////」

「実陽の、そうゆう思いやりがあるところ好き。
例え喧嘩しても、実陽は私を大切にしてくれるから…!」

「うん…//////
僕も大好き!」 

「ごめんね、実陽」

「え?え?」

「一人が好きだけど、相手してくれないのは嫌。
手、繋いでたい。
電車の中では、守っててほしい。
講義も、隣に座りたい。
ランチも一緒食べたいし、家でもホールドされたいし、お風呂…は、まぁ…恥ずかしいから別々でもいいけど…寝る時、抱き締めててほしい」

「//////るなちゃん…//////
うん!
良いよ!全部、してあげるよ!!」

結局、霞月に翻弄される実陽だった。

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