(二)この世界ごと愛したい
意外とは失礼な話だ。
その辺は誰よりもシオンに理解して欲しかった。
「考えてるよ。戦う前にちゃんと考えて、準備しなきゃダメだって。私はシオンに教えてもらったもん。」
「……。」
「この前の戦も本物からの伝言嬉しかったし。シオンに倣ったから、私総司令さんも怖くなかったよ。」
「…そう。」
おーちゃんと対照的に、素直じゃないシオンは私の肩に顔を埋める。
その髪に、そっと触れてみる。
「シオンはずっと、イヴに怒ってるんだよね。」
「…まあ。」
「イヴは私のことが嫌いなの。嫌われてる理由も分かってるから、シオンは気にしなくていい。」
「無礼ってああいうのを言うんじゃないんですか。」
「それシオンが言っちゃうの?」
思わず笑ってしまい、肩が揺れた私からシオンが離れる。
その表情は、まだ腑に落ちてはいなさそうな顔。
「親戚でも何でも、俺は気に入らない。」
「イヴの態度は生まれてからずっとだから、もう直らない。だから会わせないように頑張る。」
「そうしてください。次は間違いなく斬ります。」
間違いないんですね。
カイにくれぐれも言っておこう。
「他にもまだ嫌なことあった?善処するから言っていいよ?」
「…ハルの元に貴女を戻そうとするのが、気に入らない。」
「やっぱりイヴなんだねー。心配しなくても、イヴに言われて戻るほど私は優しくないよ。」
「あと貴女の尊厳が穢されるのも嫌です。」