(二)この世界ごと愛したい




ここでもお酒を飲んだことが裏目に出て、力は入らない上に。


それでも無理に動こうとするもので、装具の負荷が掛かり始める。




「ゃっ…んッ…!?」



装具の負荷か、単純に体力の問題かは不明だが、膝から崩れ落ちようとした私を、シオンが抱き止めた。





「〜っな、何してんの…。」


「…どうでした?」


「はっ?」


「嫌いになりました?」


「っ!?」



意地が悪いだけでなく性格も悪い。根性が悪い。


この余裕綽々な顔が全てを物語っている。




「…鬼畜。」


「答えは?」


「っ知らない!」


「…言わないならまだ続けるけど。」


「なってないっ…!」



もうヤケクソ状態の私。


ならないよ。シオンを嫌いになるなんて、私には無理。





「俺も。」


「…知ってる。」



嫌いな人に、キスなんてしないもんね。


シオンも私を嫌いにならないことも、ちゃんと分かってる。




「しばらく引き篭もってた鬱憤も少し晴れた。」


「私は、憂さ晴らしの…道具なの?」


「…それならもっと可愛げが欲しい。」


「じゃあ他を当たってください。」



可愛げある人を探してください。


その性格直せば相手してくれる人は結構いると思います。





「あんたより可愛い人知らないんだけど。」


「探してから言って。」


「……。」


「ユイ姫さんよりかは可愛いってカイは言ってくれたんだけど、シオンはどう思う?」


「…今言った通り。」



と言うことは、まず顔は勝ててるのか。


外見は侮るなかれ。姫勝負に限っては、第一印象で勝てるのは結構高得点なはずだ。



…審査員はおりませんが。



そしてカイの言う通り、二人の時だとちゃんと答えてくれるんだ。




「あとは教養と女らしさ…最難関が残った。」


「我流でやるんじゃなかったんですか?」


「もしもの時のためだよ。私の土俵に上がってくれないかもしれないし。」


「…意外と考えてるんですね。」





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