(二)この世界ごと愛したい
何のレベルでしょう。
私の詳しさの話ならそれは納得。るうは知らないことの方が少ないだろうし。
「断トツ一番の恋敵や。」
「うん!?」
「正直見てて敵う気がせんかった。あれは強過ぎる。」
「…そ、そう…なの。」
また恋愛話か!もうやめようよ!
「お嬢の甘え方が異常やったしな。」
「〜っ!?」
私は、そんなに甘えていただろうか。
相手がるうだから、多少は…多少はね。自覚もあるけど。側から見てそんなに分かるほど…だったんだろうか。
恥ずかし過ぎる。
「…やっぱ強敵やな。」
「自立しますっ!」
「…まー本来そうして欲しいけど。お嬢には必要なんやろうとも思うし。普段気張って頑張ってるから、甘えられる奴にくらい甘えても…ええと思う。」
そう思ってくれるのは有り難いが、私としては恥ずかしいんです。
「私はしっかり者になりたいのっ!」
「それは誰が得するん。」
「誰…誰かな。えー…誰?」
「誰の得にもならへんやん。俺もお嬢に甘えられたい。」
そんなこと言われたって!?
どうしたらいいの!?
「お嬢、本これで足りるかー?」
悶々と考えていた私の元へ、カイが戻って来たがその手に本は一冊もない。
これで足りるとは?どれのことだ?
「あーとりあえず上に運んでくれへん?」
「「はいっ!」」
外から数人の男性の声がしたかと思えば、それぞれ大量の本を抱えた方達が店内に入って来た。
…えっ!?!?
「かっ、カイこんなにどうしたの!?」
「え?お嬢が読みたい言うてたから運ばせただけやけど?」
「…う、嬉しいー…。」
「それなら良かったわ。おかわりまた言うてな。」
私はるんるんで上の階に運ばれる前の本から数冊抜き取り、すぐに座って読み始める。