(二)この世界ごと愛したい



何のレベルでしょう。


私の詳しさの話ならそれは納得。るうは知らないことの方が少ないだろうし。




「断トツ一番の恋敵や。」


「うん!?」


「正直見てて敵う気がせんかった。あれは強過ぎる。」


「…そ、そう…なの。」



また恋愛話か!もうやめようよ!




「お嬢の甘え方が異常やったしな。」


「〜っ!?」



私は、そんなに甘えていただろうか。


相手がるうだから、多少は…多少はね。自覚もあるけど。側から見てそんなに分かるほど…だったんだろうか。



恥ずかし過ぎる。




「…やっぱ強敵やな。」


「自立しますっ!」


「…まー本来そうして欲しいけど。お嬢には必要なんやろうとも思うし。普段気張って頑張ってるから、甘えられる奴にくらい甘えても…ええと思う。」



そう思ってくれるのは有り難いが、私としては恥ずかしいんです。




「私はしっかり者になりたいのっ!」


「それは誰が得するん。」


「誰…誰かな。えー…誰?」


「誰の得にもならへんやん。俺もお嬢に甘えられたい。」



そんなこと言われたって!?


どうしたらいいの!?






「お嬢、本これで足りるかー?」



悶々と考えていた私の元へ、カイが戻って来たがその手に本は一冊もない。


これで足りるとは?どれのことだ?




「あーとりあえず上に運んでくれへん?」


「「はいっ!」」



外から数人の男性の声がしたかと思えば、それぞれ大量の本を抱えた方達が店内に入って来た。



…えっ!?!?





「かっ、カイこんなにどうしたの!?」


「え?お嬢が読みたい言うてたから運ばせただけやけど?」


「…う、嬉しいー…。」


「それなら良かったわ。おかわりまた言うてな。」



私はるんるんで上の階に運ばれる前の本から数冊抜き取り、すぐに座って読み始める。





< 1,083 / 1,120 >

この作品をシェア

pagetop