(二)この世界ごと愛したい



完全なる私の伝達漏れだ。


言葉足らずなのがここで裏目に出た。





「それ全部キャンセル出来る?」


「あ?」


「少なく見積もっても五日は私、エゼルタに残る。」


「…そんなことお前言ってたか?」


「……言ってた。」


「へえ。」



咄嗟に怖すぎて嘘を吐いてしまった。


しかもきっとバレバレの大嘘。言った記憶全然ない。




「お前、城に鳥飛ばせるか?」


「え…まあ。」



クロに手紙を預けるために、るうはその場で何やら書き物を始めてしまった。


お説教回避か?ラッキーか?




「せっかく素敵なドレスだし、髪の毛アップにする?」


「いや、ハーフで頼む。」



ふわふわと緩いウェーブが掛かった髪をどうするか提案してくれたワカさんに、何故かるうがハーフアップでと返事をする。




「エゼルタは春先でも冷えるから。」


「…何て気の回る良い男なの。」



そんなるうに思わずワカさんの本音が漏れる。


言われた通り、ハーフアップにした髪。次は装飾品に手を付け始めたワカさん。




「あら、これ素敵ね。」


「ほんとだねー。」


「…胡蝶蘭ね。」


「だねー。」



その中の一つ。


大きな白い蘭の髪飾り。このドレスに合うこと間違いなしだ。ママ天才じゃん。


ハーフアップにした髪の脇に刺して、ネックレスも付けて、ピアスもいつものとチェンジしてようやく完成。





「オウスケ、あんたいつまで見惚れてんのよ。」


「み、見惚れ…るやろ!?普通やろ!?」


「開き直ったわね。良いからあんたも気の利いた一言くらい言いなさい。」



ワカさんに引っ張られ、仕上がった私の前に立たされることになったおーちゃん。




「わっ、ワカ!?お前ええ加減にっ…!?」


「気の利いた一言いらないです。おーちゃんの顔に全部書いてるよー。」


「はあっ!?」




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