(二)この世界ごと愛したい
そう言われてしまっては、私は動けないので。
夜通し本を読んでいた私の身体は、そんなに時間を空けずにころっと寝てしまう。
俺も寝ると言っておきながら、私の頭を枕に寝るわけもないるう。
眠ったのを確認してからすぐに体勢を整えて、私にブランケットを掛け直す。
そして、その寝顔を見つめて溜め息を一つ。
「…壁が欲しい。」
精神統一せねば、ここを乗り越えられる気がしないと気を揉むるうだった。
そして馬車は進む。
パルテノンとエゼルタは隣国なので、そんなに時間は掛からない。
それでも王都から王都。場所的に到着する頃には陽が傾く間際だった。
これから幕を開ける戦いを前に。
るうの肩で眠る私は、内に闘志を燃やしつつも懐かしい夢を見た。