(二)この世界ごと愛したい
本当にそこまで怪我させるつもりなかったんだもん。
申し訳なさすぎて、流石にサクにもう今日は向き合えません。
「サク、今日はやめとけ。」
「隊長までー。」
「リンが無理って言ってんのにやらすな。」
あ、私っ!?
サクを心配してかと思ったけど、どうやらアキトの心配は私に向いていたようで。
「…すんません。」
「明日には私も切り替えるから、ごめんね。」
「リンちゃんが気に病むことじゃないっすよ!俺の未熟さと余計なこと聞いたのが悪いんで!!」
「いや、それでも…うん。たぶんトキに怒られるから、私も反省はここまでにします。」
トキいつ帰ってくるのかなー。
今日は夜、またお部屋に地図見に行ってもいいかなー。
「あ、でも俺はあくまでも隊長推しなんで!」
「はい?」
「ばっ、サク!!!」
稽古途中のアキトが稽古を放棄して。サクを捕まえて、何やら二人でヒソヒソと話し出した。
「頼むから今は余計なこと言うな。」
「え、どうしたんすか?」
「…若干気持ち気付かせたら異常なくらい警戒された。王宮にいた頃は問題なかったが、たぶん今もう鬼人が復活したからリンの中で心境の変化がある。」
「警戒ってイコール意識してるってこと…すよね?いいんじゃないっすか?」
アキトは深く溜め息を吐いて。
稽古中断され、一人で座り込んでボーッとしている私にチラッと視線を向けて。またサクに向き直る。