(二)この世界ごと愛したい
何やらアキトとサクが揉めている。
私のせいかと思って、私はヒソヒソ話をしている二人に恐る恐る近付く。
「あ、あの…。」
「リンちゃんどうしました?」
「アキト、サクのこと怒らないでね?私が不甲斐ないだけなんだからね?」
「あー怒ってたのはどっちかと言うと俺の方っすよ。」
サクが?
アキトを?
え、でも今アキトがサクを睨んでますが?
「俺の言葉よりトキさんの言葉の方が効きますよね。続きはトキさんに相談してください。」
「…アキト稽古どうする?やめる?」
「…やる。」
どこか呆れているサクは、稽古はもうしないと言った私の言うことを素直に聞いて城に帰って行く。
アキトは稽古続行するようなので、とりあえずもう少し再開することにしました。
「サク怒ってたの私のせい?」
「アホ。何でサクがお前に怒んだよ。」
「あー私も修行が足りない。もうちょっと本気出しますね!!」
「え…。」
私は己の力不足と心の乱れを正すため、ギアを上げます。
そのせいでアキトはまた、サクほどではないものの傷を負うこととなりました。
「痛え!お前もうちょっと加減しろよ!?」
「えーアキトが弱いんでしょ。」
「武器に慣れてねえだけだ!!!」
「はい、じゃあ次の武器にしよー。」
結局アキトとは夜まで稽古して。
私の気持ちも切り替えられたし、自分の稽古にもなったし、有り難いです。
稽古を終えて二人で食事を摂る広間へ入る。
そこはもう宴会会場のように既にお酒で出来上がってる人も多くて。
賑やかで楽しい空間です。
「リンちゃーん!こっちで飲もうぜー!!」
「え?私と?」
普段はアキトがいれば絡んで来ない隊士も、今はお酒が入り過ぎているためか私に声を掛けてくれる。
「そうそう。リンちゃんおいでー。」
「うーん。」
「取って食ったりしねえから。なっ?」
「…たまにはいっか。」
可として隊士の方へ歩き出した私の肩に、アキトの腕が回される。
私はアキトを見上げる。
「ごめん、ダメだった?」
「……。」
「アキト?」
「いや、行って来い。」
パッと離れたアキトの腕。
アキトは自分の定位置へそのまま行ってしまった。
「リンちゃんと飲める!」
「リンちゃーん!」
「こっちにも来てくれー!」
隊士の皆さんが私をすぐに取り囲む。
「うわ、もう飲み過ぎなんじゃないー?」
「リンちゃん酒いけるんだってな!これ美味いぞー!」
「本当ー?」
「稽古で腹減ったろ!これも食ってくれ!」
もうそれはそれは私は餌付けされているかの如く、料理や酒を振る舞われる。
そんなに食べられないので、とりあえずお酒をベースに飲み進める。
「マジで酒強え!」
「リンちゃんもっと飲めー!」
煽りに煽られ、空にしてもすぐ満タンにされる私のコップ。
お酒に強いらしい私はそのまま飲み続ける。