(二)この世界ごと愛したい
パタンと倒れた軍人さん。
私はしゃがんで聞こえてもいない軍人さんに声を掛ける。
「ごめんね。これでも守ってあげたんだから許してね。」
そう。
私が守ったのはシオン将軍ではなくこの人。
こうでもしてこの軍人さんを連れ出さないと、例え周りに無関係な人が溢れていたとしても。シオン将軍は剣を抜いただろうから。
「…そういうとこも嫌いなんだよね。」
シオン将軍がいる以上、完全にこの街から離れたくなった私はさっさと退散しようと考える。
結果私が手を貸したことになってしまったので、完全にシオン将軍を見失った軍人達がまた慌ただしく彼を探している。
「あーあ。」
ハナちゃんの羽織。
帰ったら謝らなきゃだし。
まだ帰る心の準備も出来てないのに。
そんなことを考えながら街の中をボーッと歩いています。
「何だか今日は物騒ね。」
「本当に!アキト将軍来てくれないかしら!」
「アキト将軍が来てくれたら安心よね!」
街の人が何やら噂話をしています。
でも、来ない来ない。
アキトはお城にいるので。
勝手に出て行った私を追いかけてくるような人でもないし。
「そう言えばアレンデールの第一将もすっごく良い男なのよ!」
「そうなの!?」
「それはもうアキト将軍にも負けず劣らず良い男なのっ!」
それはそうです!
うちのハルは良い男なんです!!!
「でも、結婚するらしいのよねー。」
ピタリと。
私の足が止まる。