(二)この世界ごと愛したい
「こんな鬼畜ほっとこう。」
「…リンとりあえず城に戻らねえか?」
「じゃあお買い物してもいい?」
「もうお前が帰ってくるなら何でもいい。」
やったー!!!
私はハルの結婚話について聞き耳を立てつつ。
街の商店でアキトにたくさん色々なものを買ってもらっている。
アキトが現れたことでシオン将軍を追っていた軍人達は踵を返す。
女性陣達がアキトを狙って周囲を固める。
「アキトさんその女誰ですか!?」
「ちょっとアキトさんから離れなさいよ!」
そして何故か私が怒られる。
怒られるのにアキトは私の手を離さない。
「アキト、私の被害がすごい。」
「もうほっとけ。」
「泣いて悲しんでる人もいるんだけど。何か可哀想になってきた。」
「お前都合の悪いことだけ忘れたのかあ?」
都合の悪いこと?
「…俺が好きなのお前な?」
そんなことを言われるせいで、忘れようと決めていた記憶の箱が開いてしまう。
「〜っ!!!」
「だからシオンの前でその顔やめろ!?」
私にどうしろって言うの!?
相変わらず涼しい出立ちのシオン将軍はどうでもいいけど、アキトのせいでまた周囲の女の子からの風当たりが強くなる。
けどアキトに言われた通り気にしないように努めた。
「あ、最後に本屋さんだけ!」
「やっと最後か。」
自分の小腹を満たす食べ物や、大好きなリンゴ飴とか、トキが帰ってきたら一緒に食べようと思った甘いお菓子を買ってもらって。
最後に書店に寄りたいと頼む私。
「あら、お嬢さん…と、さっきのお兄さんも。お友達だったの?」
書店のお姉さんが私とシオン将軍を見て目を丸くしている。
私の他にいた変わった客はコイツか!!!
「それにアキトさんまで…?」
「私あの人とは友達じゃないけど、アキトがお金持ってるから!だからさっきの本やっぱり今日買うね!」
シオン将軍に対して失礼な私に苦笑いの店員さん。
「お前やっぱ俺を財布だと思いやがって!」
「いいじゃんー。第一将ってお金持ちでしょー。」
「この箱入りめ!大体ルイが甘やかすからこうなんだよ!!」
「るうは私に貢ぐのが生き甲斐らしいからね。」