(二)この世界ごと愛したい
「水くれー!!」
「はーい!」
「ハナちゃんごめん、俺も!」
「はいはい!サクくんちょっと待ってね!」
二日酔いもあるのか、アキトとサクは自分の持ち場の二周目が終わり次第休憩に入った。
水を飲んだり浴びたりしながらこの暑い時期での稽古を憎む。
「…リンちゃん何周目っすか?」
「三周は越えたな。」
「相変わらず化け物じみてますね。」
そんな休憩してる二人を視界の端に捉えた私。
人が頑張ってるのに呑気に休憩とは…。
「ごめーん。私の方三百で並び直してー。」
ギョッとする一同。
私だってそれはもうこの暑さで汗だくですけども。
単純計算十周しないと終わらないのに!あの二人に休まれると午前中では終わらんのよ!!!
なので仕方なく母数を上げるしかない。
「お前体力無尽蔵か!?」
「ここ最近万の軍相手に一人で戦うことが多かったからまだ可愛く見えちゃって。」
「怪我の次はぶっ倒れるなよ!?」
「心配するなら休んでないでさっさと動いてくれる!?」
私に怒られたアキトとサクは再び稽古再開。
私とアキトが人数増加したおかげで、若干正午は跨いだもののお昼ご飯刻に稽古は終わり。
「「ありがとうございました!!」」
「お疲れ様ー。」
別隊として仕分けた隊士たちに、次からはこちら側で稽古する旨を説明して。
救護班に顔を出して負傷者の人数を確認して。
トキが帰ってきたら見てもらおうとそれらを紙に書き起こしてトキの部屋に忍ばせて。
ヘトヘトの身体を引き摺ってシャワーを浴びて。
アキトはたぶんお昼ご飯を食べに行ってるから不在だったけど、そんなアキトの部屋に勝手にお邪魔して。
…泥のように眠りにつきました。