(二)この世界ごと愛したい



「あ。」



しまった。


ワカさんが用意したのはノースリーブの服。残暑もあるので涼しげでいいんだけど。


一応私は身体の傷を今も長めの袖で隠していた。




「言うの忘れてた。」



仕方ないか。


別に私は気にしないんだけど、見る人が嫌な気分になるからなー。





「ワカさーん!」


「リンちゃん着替えたー!?」


「着替えたんですけど羽織くださーい!」


「…とりあえず降りて来てー!」



上の階から階段に向かって言ってみたけど、私の意図は伝わらない。


どうしようもないので降ります。




「「っ!!!」」



カイとおーちゃんが私の変身した姿に目を見開いて。


ワカさんがドヤ顔を決めている。



だけどやはり、腕から垣間見える傷にどうしても目が行ってしまう。




「…リンちゃん…その傷…。」


「なので何か羽織りたいんですー。」



矢傷に刀傷。例の左腕は刺し傷に熱傷。


お見苦しくてすみません。




「…すぐ持って来るわね。」


「ゆっくりで大丈夫ですよー。」



ワカさんがまた上の階へ上がって。


私はもう下でこのまま待つことにしました。



そんな私を見てさっきまで物珍しげに見ていたカイも、固まっていたおーちゃんも。


傷を見ては痛々しそうに暗い顔をする。




「…見過ぎじゃない?」


「…堪忍な。可愛いって褒める準備しとったのにいざ見ると声も出んかったわ。」


「私は仕事の度にこんなに支度するの?」


「あー、ワカが気合い入っとるしおる時は付き合ったって。」



マジか。


ワカさんいる時は毎回こんだけ仕立て上げられるのか。





「…お前マジでどないなってんねん。」


「おーちゃん?」


「…傷だらけやし軽すぎるし。」


「軽い?」




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