(二)この世界ごと愛したい



ハルやアキトと自分は違うと言うおーちゃん。


体感、モテ方はそんなに変わらんけど。




「そう?」


「鬼人も天帝もカッコええし。」


「だねー。」


「…俺とはちゃう。」



ツーンと唇突き出してるとこがまた可愛い。




「モテモテに変わりないじゃん?お得でいいね?」


「お得て…。」


「けど違うっちゃ違うかも。」



あの二人は、本当に異性人気が凄いのよ。


モテモテパラダイスなのよ。



それはおーちゃんも同じ感じなんだけど、ちょっとだけ違いがあるように感じます。




「ハルもアキトも、ここまで同性人気ない気がする。」


「はあ?」



要は男性からの支持率も高いおーちゃん。




「…おーちゃんは正義のヒーローみたい。」


「何言うてんねん!?」


「えー、めちゃくちゃ分かりやすくない?」


「誰がひ、ヒーローや!!!」



あー照れないでくれ。可愛いって。


本当にこの人は年上なのか!?




「ところでおーちゃん。結局聞きそびれた双剣のことなんだけどさー。」


「…もう少しヒーローに浸りたかった。」


「ごめんごめん。それでさ、私はどうすればいいと思う?何か良い案ない?」


「まー、ないことも…ない。」



え、まじ!?!?




「知りたい知りたいっ!」


「簡単や。剣変えたらええねん。」


「…なるほど?」



私も考えないこともなかったよ。


でもその選択肢は排除した。私はどうしてもあの二本の剣じゃないと嫌だ。




「他には?」


「鍛錬。」


「原点回帰。やっぱ近道はないかー。」


「やから軽い剣に持ち替えたらええやん。」


「出来るならやってるよー。」



出来ない…と言うかしたくないから困ってるんだよ。


私の非力な腕で、真剣を二本操ることは確かに難しいし負荷が掛かる。利き腕の右はまだ良いけど左がそれなりにポンコツなのが悩みだった。



その辺の兵なら全く問題ないけど、先日敗北したアキトとか将軍クラスには対抗出来ない。




< 489 / 1,120 >

この作品をシェア

pagetop