(二)この世界ごと愛したい
営業を知らせる灯りを灯してから。
私はカイに着替えるように言われて、傷跡が隠れる長袖の服に着替えた。
「ワカ呼んだからちょい待っとき。」
「わざわざ!?」
「そうやでー。お嬢はもう少し有名人やって自覚せな。」
「そんなに変わるかな!?」
確かにワカさんの技術は凄かったけども。
私が私だと判断出来ないほどではない…と思うんですけど。
「俺の楽しみでもある。」
「…おじさんの邪きついな。」
「おじさんちゃう!俺はまだお兄さんのつもりや!」
まずは邪を否定してほしかったです。
そんな馬鹿な話をしていると、本当にワカさんが呼び付けられてやって来てくれて。
今朝同様、二階でまた風変わりなお化粧を施してくれている。
「リンちゃん可愛いわー。やり甲斐あるわー。」
「えっ、ワカさん髪…。これは流石に…どうなんですか?」
「せっかく可愛いんだから楽しみましょ!」
「本当にこれで人前に出るんですか。」
私は鏡の前の自分にも問い掛けている。
恥ずかしくないんですか。
「やっば!リンちゃんツインテール最高っ!」
「…あ…はい。」
「カイにも見せよ!来て来てっ!」
私はワカさんに手を引かれて下に降りる。
「うわー…。お嬢萌えるー…。」
「…燃やそうか。」
「機嫌悪。けど可愛いー。」
ツインテールなんて初体験です。
子供っぽくない?普通に恥ずかしいんですけど?