(二)この世界ごと愛したい
私が思わずむっとして振り返ると、目の前におーちゃんの可愛い顔が映る。
「っ…!」
あーもう!可愛い!!!
私なんて霞むほど可愛い!!!
「…あら?オウスケもいたの?」
上からワカさんが降りてきた。
「わ、ワカさん今日もありがとう!」
「いいのよー。リンちゃん可愛いから私も嬉しいし。」
私は現状から逃げるようにワカさんの元に逃げる。
あの可愛さが眩しくて眩しくて。
「ん?オウスケとリンちゃん良い感じなの?」
「はい!?」
「だってオウスケがすっごい良い顔になってるけど。」
元々じゃん!!!
「そんなんちゃうわ。」
「おっ、おーちゃっ…!?」
グイッと腕を引かれて。
せっかく逃げたのに私は再びおーちゃんの側に戻ることになってしまう。
「…カイ、大変ね。」
「分かってくれるか。おおきに。」
大人な二人が意味深なやり取りをした後、ワカさんはそのまま帰ってしまい。
入れ替わりのようにお客さんがご来店。
「嬢ちゃん!約束通り来たぜー!」
「あ、昨日の…。」
「今日も可愛いー!」
昨日のお客さんが多数。
他にも新たに見る新しいお客さんも多数。
「商売繁盛やわー。」
「カイ、外にも並んどるで。」
「お嬢効果テキメンやな。嬉しいわー。」
もう空席など一つもないどころか、立ったままの人もちらほらいますけど。
そして外にもまだ待ってる人がいると言う。
「嬢ちゃん!今日は俺が奢るぜ!」
おーちゃんの側に立ってた私を、今度はお客さんがグイッと引っ張る。