(二)この世界ごと愛したい
アキト軍って、本当に一致団結してるよね。
反応みんな同じじゃん。
トキと普通に喋ってるのがそんなに珍しいものなのか、硬直したまま動かない隊員さん。
「…ご飯食べないのかなー?」
「そうなんじゃない?」
「でもみんなトキを見てびっくりしてないー?」
「違うよ。リンがあんまり可愛くてびっくりしてるんだよ。」
ち、違う気がします…。
この時の皆さんの驚いたリアクションの真意を、私は追々知ることになる。
「あれ、照れちゃった?」
「照れてない!」
「顔赤いよ?」
「〜っ…。」
トキって本当にいい性格してる。
完全に私はまた玩具にされている。そんなことは分かっているけど、やはり美少年はいつ見ても美少年で。そんな美少年に可愛いと褒められて浮かれたのは事実です。
「うん、これでよし。」
「ありがと。トキは何でも出来るんだねー。」
簡単な手当てを施してくれたトキ。
まあ、性格はちょっとアレだけども。きっと女の子にモテること間違いなしだ。
「もう終わったか?」
「アキトが昨晩やってあげないから俺がやったんだよ?自業自得だよ?」
「…にしても、馬子にも衣装だなあ。花嫁姿には劣るが。」
「アキトって本当に素直じゃないよね。」
アキトも褒めてくれているらしい。
手当てを終えた私は、トキとアキトの間に座らせてもらえることになり。
この大きな広間でみんなで朝食をいただくことになりました。