(二)この世界ごと愛したい
これがまた、食欲はあまりなくて。
とにかくるうのじゃなくてもいいからコーヒーだけが欲しいと思ってしまう私。
でもハナちゃんが準備してくれるんだしと、密かに葛藤する。
…そうだ。
どっか街に行けばコーヒーくらい売ってるんじゃないか?わざわざ淹れてもらうのも申し訳ないし?
「アキト、今日から遊べるよね?」
「…ああ。」
「街に行きたいです!!!」
「じゃあ飯は食っとけ。どうせまた手当たり次第買い漁るくせに文無しだろ。」
酷い言われ様だ。
けど、お金は確かに持ってない。
「アキト第一将になったんだから、もう贅沢三昧できるんだしいいじゃんー。」
「碌でもねえ考え方やめろ!?」
将印の力で贅沢三昧という私の考え方は、どうやら碌でもないことらしい。
「リンの考え方好きだなー。俺もその将印で色々買いたいと思ってるんだよね。」
「そうだよね!流石トキ!」
「手当たり次第振り翳して街中の物手に入れて売り捌いたらどれくらい儲かるかな。」
「ま、街中は…やりすぎかも?」
それが叶う将印とはやっぱりすごい。
街に行けることが決まって、アキトに食べるようにしつこく言われるのでハナちゃんが持ってきてくれた食事を頑張って食べました。
美味しいけど、満腹で苦しいです。