(二)この世界ごと愛したい
その様子を見ていたレンは不思議そうにしている。
何せクロの存在を知らないから。
「…よし。」
書き終えた私は指笛でクロを呼びつける。
最近酷使して非常に申し訳ないと思っています。ごめんなさい。
「…鷹?」
「うん、クロって言うの。」
「伝書鳩の要領か。リンは相変わらず多才だね。」
「シオンに教えてもらって最近出来るようになったの。」
まずはカイ宛の手紙をパルテノンへ放つ。
「…トキのお兄さんも凄い人なんだね。」
「軍略に関してはお手本にしてた人だから、凄いのは確かに凄い人だよ。性格がちょっと…悪いのが残念だけど。」
ちょっと…かな。
と、一瞬失礼なことを考えてしまった。
「あ、そうだ。リンがここに紹介した…名前は…聞いてないけど、忍者さん。」
「…マサの目、やっぱりダメだった?」
「あれは故意に眼球を狙って斬られてた。打つ手がなかった。ごめん。」
「レンは悪くないよ。私も何となく分かってたし、マサが一番分かってたと思う。」
そう。
あれは意図して狙われ、マサもそれを受け入れたが故の隻眼。
…そんな斬られ方。
「それ以外の傷は処置しておいたし、薬も持たせといたから。変に無茶しなければ命は大丈夫だよ。」
「あーレンありがとうー。マサ友達なの。忍者だし、すっごく助かったよー。」
「うん。それとエゼルタ王だけど、病自体より睡眠もあんまり取れてないみたいで、精神の方が重症そうだったよ。」
「…それ私に話して良かったの?」