(二)この世界ごと愛したい
「君、もう明日から来なくていいよ。」
「っレン様、私はこの女の戯言を咎めていただけでございますっ…!」
いつになく冷たいレンの声。
傷を負った私の顔をチラッと見て、更に怒りの色が滲む。
「一部始終しか聞いてなかったけど。戯言を言ってるのは君だと思うよ。」
「いいえ!私は間違っておりません!」
「…じゃあそれでいい。」
レンはそう言って私に近寄る。
私に怒っているわけではないと言うのに、流石に怖すぎる!!!
「戯言でも虚言でも、彼女の言葉の方が嬉しかったから。」
「レン様!あなたは王子なんですよ!?こんな品性のない女は似合いませんっ!」
「俺、この子より気高い女の子知らないけど?」
レン、ごめん。
それは結構いると思う。
「王子だから好きな子に似合わなくなるなら、俺は王子なんて立場いらないし。」
「あ、それは違うんじゃない?レンに不釣り合いだって言われるのは私であってね?レンが高貴すぎるって話だよ?それにさっきから何気に褒めまくるのやめて?」
「本当のことだよ。例え絶対的に間違ってることを言ってたとしても、俺はリンだけを信じるから。」
おい、女官。
どうしてくれるんだ。
私だってさっきまで多少気が立っていたと言うのに。
…またレンが、私を一層惹き寄せる。