(二)この世界ごと愛したい




「遅なって堪忍なー。」



そこへ調子を取り戻したように見えるカイがやって来た。




「セザールの王子さん、いらっしゃい。」


「…?」


「この子の雇い主。カイって呼んでくれてええよ。」


「…初めまして。」



レンがたどたどしい挨拶をする。


少しらしくないようにも見えるが、もう私は何事も変に情報を察知したくないので深く考えないよう徹する。




「わざわざお嬢心配して遥々ご苦労さん。」


「リンは基本的に病への耐性がないので、くれぐれも体調は気を付けてあげてください。疲労が溜まるとただでさえ少ない免疫が更に減るので要注意です。」



私も初耳なんですが?


そしていきなりどうした???




「リンの回復手段は基本睡眠なので、少しでも元気がない時はさっさと寝かせるのが得策です。血圧も低めなので寝覚めも良くないですが、起きた後はしっかり食事を摂らせるようにしてください。」


「ちょ、レン多い!私も知らない情報が多い!」


「聞いて欲しい時ほど言うこと聞かないリンに言っても意味ないでしょ?」


「……すみません。」



だからって。


もうカイもおーちゃんも突然すぎてビックリしてますけど。急に私の取り扱い説明されても困ると思いますけど。




「あとお酒なんですけど、遺伝の功が大きいように思うので多少は大丈夫です。それでも量と頻度は管理をお願いします。」


「…私自分で管理出来るよ。」


「薬が必要になる時でも通常の調薬の物はあまり使わない方がいいです。急を要する時はせめて半量だけにしてください。基本的には俺を呼んでくれると助かります。」


「聞いてー。聞こえてないのかなー。」



レンの医術師トークが止まらない。


私はこれまでレンに、そんなに情報を与えたつもりはないのに。何でこんなに分析出来るんだ。



…医術師ってすごい。




「お、おおきに。王子の言う通りにするわ。」


「よろしくお願いします。あとで応急処置用の処方は渡しますね。」



そんなのまで持って来ていたのか。




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