(二)この世界ごと愛したい
どんな場所で働いているのか知りたいと言っておきながら、実はこの説明をするために来たんじゃないかとも思えた。
レンはレンのやり方で、私を守ろうとしている。
「これから寒くなるからリンも気を付けてね。」
「…はい。」
「温かくして過ごしてね。少しでも違和感あったらすぐ休むこと。」
「分かった…けど。ちょっと大袈裟な感じも否めません。」
私が俯き気味に物申すと、レンはそんな私の手を取って自分の方へ引き寄せる。
「俺に出来ることは限られてるから、その中でリンが元気に過ごせるように最善を尽くしたいだけだよ。」
知らないうちに、私はそれほど想われていたらしい。
私を引き寄せたまま、かなり近めの距離にいるレンを思わず見てしまう。
これだけの気持ちに応える方法はあるんだろうか。
「…相変わらず、俺のお嫁さんは世界一可愛い。」
「は?」
また世迷言を発したかと思えば、今度はそんなレンの顔が近付いてくる。
「っちょ…っと!?何する気っ!?」
「え?我慢出来なくて?」
キスされる寸前、私はレンの顔を思いっきり押してそれを阻止。
「な、何考えてんのっ!?」
「俺はリンのこと以外あんまり考えてないよ。」
「っ周りのことも少しは考えてください!!!」
思えば戦場だろうがお構いなしのレンさんを初めて阻止できた。
私も成長したな。
安堵したのも束の間。
レンの顔に添えていた私の手を取って、今度はその手に口付ける。
「れっ…!?」
「今はこれで我慢するね。」
これは我慢したって言うのか!?