(二)この世界ごと愛したい



「リンちゃん、とりあえずシャワー浴びる?」


「んー。」


「起きたこと下の馬鹿な連中に伝えて鎮めてくるから、ゆっくりしてて?」


「んー。」



こうしてのそのそと浴室へ移動する私と。


お店へ降りて行ったワカさん。





「オウスケうるさい。騒ぐからリンちゃん起きちゃったわよ。」


「やから何で俺やねん!?」



ワカさんが現れて、更に煩くなるおーちゃんと。反対に静かになるシオン。シオンは元々静かか。性格以外は。




「お客様、もう少しお待ちくださいね。リンちゃんちょっと疲れてるみたいで。」


「……。」


「上に戻ってリンちゃんの様子見て連れて来るので、お静かにお願いします。」


「……。」



完全無視のシオンとトキに小さく溜め息を吐いて。


ワカさんは再び私がいる部屋に戻る。





「…血は争えないわね。」



ワカさんは部屋に戻るや否や苦く笑ってまた呟く。


シャワーを浴びた私が部屋に戻ると、ワカさんはキラキラの笑顔で待ち構えていた。




「わ、ワカ…さん?」


「待ってたわリンちゃん。いらっしゃい。」



実は私、まだ身体が怠くて。


でも、目の前の怖い笑顔をこちらに向けるワカさんを見たら。



…逆らってはいけないと。


そう感じて大人しく従うことにした。




テキパキとした手腕でお着替え、お化粧、髪の毛。全て整え満足そうなワカさんを見て私は不思議に首を傾げるしかない。


まだ本来の酒場の開店には時間があるのに、どうしてここまで身なりを整えるのか。



…恐ろしくて聞けないんですけども。





「さあ、リンちゃんいってらっしゃい。下はイケメンの巣窟よ。」


「…え、あ…はい。」




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