(二)この世界ごと愛したい
そんな人生ですが。
それなりに楽しく過ごしてましたよ。
「…そう考えるとリンはすごいよね。」
「そうかなー?」
「ずっと城に閉じ込められて、結婚したら王宮に閉じ込められて。卑屈になってもおかしくないよ。」
「それなりに反発した時もあったよ。でも、無駄だって分かったし。この力を持ってることを知った時に本当は全部諦めたの。」
それでも私は卑屈にはならなかった。
「運命に逆らうその強さがすごいよ。」
「…実は私は逆らえなかったの。諦めて戦意も失くしてって時期もあった。」
「……。」
「私の運命と必死に戦ってくれたのはハルだからね。そんなハルのために、このままじゃだめだと思って絶望の淵から気合いで舞い戻った。」
私の人生を変えるのはいつもハル。
今もこうして、私の気持ちを守り続けてくれるのもいつもハル。
そんなハルのために私が出来ることは、今を精一杯生きることだけ。出来るだけ笑って過ごすことだけ。
「…トキは?」
「え?」
はっきりは分からないけど、運命とやらに縛られ続けているんだろう。
…逆らいたくはないのか。
と聞こうと思ったけど止めた。
「お風呂行ってトキのお部屋戻るねー。」
「…分かった。」
悪い癖、本当にやめなきゃ。
私が踏み込んでいい話じゃないかもしれない。トキはそれを望んでないんだと思うし。
それでも、トキにも。
今の私のように何にも縛られることなく、ただただ幸せに笑って過ごしてほしいと。
そう願うことだけは、許してほしい。