(二)この世界ごと愛したい




「麻薬の中毒には気を付けて。」


「…お互いな。」



恋敵同士だなと、レンは思ったと同時に思い出す。




「あ、一人で来ようと思ったんだけど。一緒に行くって聞かなくてアキトとトキもすぐ来るよ。」



それを聞いて、お店に降りて対応する準備に取り掛かるカイと。


他国の第一将が来るのでおーちゃんもカイの護衛のため下へ降りることになった。





「はー。最近ほんまバタバタ。」


「あの王子よりによって天帝連れて来るって何やねん。」


「王子相手に失礼言うなて。」



二人がお店で待っていると、そんなに時間を空けずにアキトとトキが到着。




「…懐かしいなあ。」


「いらっしゃい。天帝さん酒やんな。」


「あー…後で貰う。」


「さよか?軍師さんは?」


「俺も後で。」



二人揃って、後とはいつだとカイは思った。






「世界一の女に酌して貰う酒が一番美味いに決まってるからなあ。」



ニヒルに笑うアキトを見て。


カイとおーちゃんも、私に会うまで居座る気だと察した。




「先に依頼してたの終わらせとこうかな。」


「あ、今回白狼から連絡ないけど。別日やろか?」


「俺も連絡取れないんだよね。」


「…さよか。」



と言うことで。


ここからはお仕事のお話をして、私が起きるまでの時間を潰すはずだったが。



そんな話が終わっても目覚めないもので。




「リン遅え。」


「アキトに会うの嫌なんじゃない?」


「何でだよ!?」


「うるさいから。」



案の定ギャーギャーとアキトが騒ぐので、上からレンが注意するために降りて来る。




「アキトうるさい。」


「ほらね。」


「お前のせいだろ!?」



レンの医術師としての見解で、私はこのままで問題なしと判断された。




「また何かあったら連絡ください。」


「お前帰んのか?」


「リンのことで頭一杯で、城の患者の様子見て来るの忘れたから帰る。」


「会わねえのか?」



会いたくないかと言われれば、それはこのまま留まって一瞬くらいは会いたいと思っているが。


この医術師としてのプロ意識は本当に目を見張るものがある。




「…回復後の様子も気になるので、起きたら一度城に来るように伝えてもらえます?」


「それは構わへんけど。」


「じゃあ、アキトとトキもまたね。寝起きのリンにあんまり無理させないでね。」


「了解ー。」




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