(二)この世界ごと愛したい
「っぅん…ッ!」
激しさが増すキスに、成す術がない。
アキトの舌が口内に侵入し、私を絡め取ろうとしてしまう。
「ふぁっ…ん…っ…。」
ああ、また…どこかに沈んでしまいそう。
「…へえ?」
「っ?」
「イイ顔するようになったなあ。」
「ん…っ!?」
一瞬だけ唇を離されたかと思えば、また難解なことを言われ。
そしてすぐに首筋に唇を這わせる。
「味見だけのつもりだったが、気が変わった。」
「へ…?」
「前菜くらいは貰って良いよなあ?」
「ぜん…さ…ぃっ!?」
痛い!?
本当に噛んだ!?食べた!?食べられた!?
「ちょっ…なに…!?」
「虫除け。良い女になり過ぎたお前が悪い。」
首筋に本気で噛み付いたアキト。
触るとマジで歯型付いてる。
え、何?しかも私が悪いって言った?
「っ〜〜、もう離してアキトの馬鹿っ!!!」
「ばっ…お前声でけえ!!!」
こうなったら下にも起きたことは知られるだろうとアキトは諦め、トキも待ってるから下に降りると声を掛けてくれる…が。
私も行きたいよ。トキに会いたいよ。
でも身体が重いのと、この熱がぶり返したみたいに熱い顔で行けないんです。
「ったく、何してんだよ。」
「やっ…アキト私まだここにいる!」
「俺は酒が飲みてえ。」
知るかよ!?勝手に飲めよ!?
そんな私の叫びも無視して、問答無用で私を抱えたまま階段を降りて行ってしまう。
「あ、リンおはよ…って、アキト。もうまた何したの。リン可哀想なことになってるけど。」
「結局味見しかしてねえよ。」
味見とは…。
味見とは何なの!?!?
「降ろしてっ!」
「あー分かった分かった。」
ここでようやく地に足を付けることが出来たが、装具発動中のためその場に座り込む。
「おいっ!」
「…あー…アキト上に上げたの誰。」
「あ、俺や。」
座り込んだ私をアキトが何事だと声を出すが、そんなことよりも。
私は座ったまま名乗りを上げたカイを見る。
「この邪を簡単に上げちゃダメ!」
「す、すまん。」