(二)この世界ごと愛したい



当時、パルテノン第一将だったヒマリさん。


それを討ったのが、現ソル第一将。リュウキと言う男。



私も世間もまだ知らないが、あのハルでさえ討ち倒すことが出来なかった男。





「確かにな。」


「もしそんなことになったら、俺将軍辞めるわ。」


「…辞めて働き口どうすんねん。」


「雇ったるって言うてくれてもええやん。」



可愛いおーちゃんが、カイを睨んでぶすっとするけど。


今日のカイは折れない。




「そんな腑抜けいらんわ。」


「…今日厳しいな。」


「そうならんように、ほんまに死ぬ気で守り。その時は俺より優先せなあかん、大事な子なんやから。」


「…カイより優先、か。」


「今更出来ひんとか言うなよ。」


「言うてへんやろ。」



おーちゃんが四六時中護衛をしているカイが、自分よりも私を優先して動けと言った。


その重みを、おーちゃんは受け止める。




「俺と同じ轍は踏まんようにな。」


「…後悔すなって話やろ。」


「分かっとるやん。」


「知っとるよ。カイがお嬢のおかん好きやったんも、娘のお嬢大事にしたいのも。」



昔のカイの恋愛。


後悔の滲むその恋は実ることはなく、それでも娘である私さえも大事に想うカイの器は相当なものだ。





「ほんまなら俺の娘でもおかしないもんな?」


「それはおかしいやろ。」


「何やねん、そこはのれや。てかお前それ誰に聞いたん。」


「ワカ。」



口の軽いワカさんに頭を悩ませつつも、カイは苦く笑うしかなく。




「いつ聞いたん?」


「お嬢がここで働き始めて少ししてから。」


「結構前やんけ。言えや。」


「俺別にカイの恋愛に興味ないし。」


「誰が興味持て言うてん。普通に聞いたでーくらい言えや。」


「どうでも良すぎて忘れとったし。」


「もうええわ。」



そんな軽快な会話をして、二人はアレンデールへ帰国した私の帰りを待つこととなった。





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