(二)この世界ごと愛したい
ハルが血迷ったことを言わないように、るうが先手を打つ。
「祝言…世界一の美女…。」
「馬鹿、マジで黙れ。将印騒ぎの時もかなり面倒だったの忘れたのか。」
「…そうだな。」
ハルの返事に安堵したるう。
「俺と世界一の女との結婚を祝いてえ奴は、せいぜい長生きしろよ?」
今世では出来ない祝言を、来世まで長生きすれば祝えると。
ハルは、そう含んで笑った。
そんなことを聞いてしまっては、国民達も大団円で長寿を目指す。
「この馬鹿!自分で鎮めて来い!!!」
これには流石に怒ったるうが、ハルから私を奪い取り。
その場にハルを置き去りにして素早く城の中、私の部屋へ移動した。
「信じらんねえ、あの馬鹿。」
「…ほんとに。」
部屋の中で、るうの言葉にぽつりと返事をした。
「…わり、起こさねえようにしたかったんだけど。」
「るうが悪いんじゃないよ。ハルが馬鹿なだけだから。」
「まあな。」
私はるうに降ろしてもらって、久しぶりの自室に不思議な感情になる。
今まで出ることがなかったこの部屋に、懐かしいと思える日が来るなんて。人生何が起こるか分からないな。
「本当の、ただいま…だね。」
「…おかえり。」
るうのおかえりに、自然に笑みが溢れた私をそっとるうが抱きしめた。
「え…っと。」
「あ?」
あれだけ距離感を気にしていたるうなので、私は思わず肩が揺れる。
いや、まあ今更ではあるけども。アキトの城に来てくれた時もハグはしましたけども。
何かが、あの時とは違う…気がする。
「…アキトか?」
「は?」
「お前アイツに何された?」
何故ここでアキト?
そして何されたって…まあ、色々あった。
「……。」
「言えねえのか。」
「い、言え……っない。」
「…。(殺す。何だこれ可愛さどうなってんだ。マジでアキト殺す。次会ったら埋める。)」