(二)この世界ごと愛したい
催し物である私の本日の注目カードである余興の舞は、まだ始まらないので。
ただ商店を眺め歩き、食べ歩き。
ハルと二人で手を繋いで、それはもう大はしゃぎで楽しみました。
「舞はるうと見ようー。」
「俺もリンと見たかった。」
ちなみに生誕祭の時からそうなんだけど、ハルとるうとは時間で分けて交互に回る。
ハルと回り終われば、るうと交代。
何故交代制にしたかと言うと、この仲良しが揃うと喧嘩ばっかりして足止めばかり食うもので。
幼い頃の私はそんなことが嫌で泣いてしまい、そこから二人が暗黙のルールとして別々で回ることを決めたんだとか。
「また見ようねー。」
「またっていつだよ。」
「…来年?」
「おっそ。」
そんなこと言われたって。
舞なんて普段いつどこで見れるものなのか私は知りませんもん。
「あ、じゃあ私がもし舞が出来るようになったら、一番にハルに見せてあげるっ!」
「っ可愛い!!!」
許してもらえたー。よかったー。
「私どうせ天才だから習得には時間掛からないよー。」
「流石俺のリンだ。」
もうここから終始ニコニコのハルと祭りを楽しんで、一旦城へ戻りここでるうとチェンジ。
「遅え。」
「悪いなルイ。気を付けて行って来いよ。」
「…は?」
「リンから絶対に目を離すなよ。喧嘩せずに楽しんで来い。」
「誰お前。」
上機嫌のハルは、普段であれば絶対言わないようなことまで言えてしまう。
確かにここは普通なら、遅れたことを謝ったりしないし、笑顔で送り出したりしない。そして楽しめなんてるうには言わない。三秒で帰れとか駄々を捏ねる場面だ。
「るう行こうー。」
「…ああ。」
今がチャンスなので、私は早めにるうを連れ出した。