幼なじみと黒歴史~初心な天使が闇落ちした理由は私です(マンガシナリオ)
#13 コーヒーのシミ
〇茉生のマンションのエントランス
莉恋と天馬(制服姿)・瑞月と茉生が集合する。
驚く莉恋
莉恋「茉生! 瑞月会長、茉生と知り合いだったんですか?」
不愛想な顏の天馬 わざと瑞月と莉恋の間に入る
天馬「で、用件はなんなんですか?」
瑞月「君を呼んだ覚えはない。」
天馬「あのね、俺と莉恋はつき合ってんの。」
闇堕ちモードの天馬 ポケットに手を入れて瑞月の眼前に迫る
瑞月も静かな闘志をにじませて立ち向かう
天馬「デート中に彼女を呼び出されるのがクソダリーんで『邪魔すんな』ってクギさしておこうかなーと思って。」
瑞月「それなら僕も、ひと言物申すつもりだ。」
瑞月はニヤリと笑い、宣戦布告
瑞月「全身校則違反の君と生徒の模範となるべき雪河クンの交際は、釣り合わない! 断固反対する‼」
天馬「ざけんなッ!」
瑞月の胸ぐらをつかんだ天馬が火花を散らす
莉恋「茉生、これってどゆこと・・・。」
莉恋が茉生に説明を求めるが、茉生はいつの間にか天馬の目の前
茉生「ウチも二人の交際には反対!」
莉恋&天馬「へ?」
茉生「だってウチは・・・。」
次の言葉を言いよどむ茉生に、そこに居る全員が注目
茉生「ウチは、ずっと天馬が好きだったのーーー‼」
莉恋&天馬「エエエーーー‼」
面食らい、赤面する莉恋と天馬
瑞月だけ拍手する
莉恋「ちょ、待って! 二人とも、落ち着いて!」
瑞月「止めてはいかん。好きなものを好きというのは自由だと言ったのは、雪河クンではないか!」
莉恋「あれは、そういう意味じゃない!」
顔面蒼白の莉恋
莉恋(もしかして、私、特大ブーメラン放った?)
茉生「天馬、返事は?」
天馬「い、今? えっと・・・。」
フッと真面目な顔になり、茉生に頭を下げる天馬
天馬「茉生の気持ちは嬉しいけど、俺は莉恋が好きなんだ。ゴメン。」
茉生「やっぱね・・・。」
瑞月「マァーーーオーーー‼」
突然、叫んで号泣する瑞月
ギョッとする3人
瑞月「感動した! 僕は君を、見直したぞーーー!!」
茉生「てか、アンタ馬鹿? 明らかに今は、マオが泣くターンでしょ! 」
おんおん泣き続ける瑞月に、呆れながらも泣き笑いをする茉生
茉生「不器用すぎでしょ。」
茉生に近づく莉恋
莉恋「茉生、大丈夫そ?」
真っ赤な顏を両手で覆い、その指の隙間から茉生を見る茉生
茉生「ウチは・・・ずっと莉恋になりたかったんだ。」
気持ちを吐露する茉生 その声は震えている
茉生「でも、憧れるのは今日で終わり。だってウチのこと、黙ってれば可愛いって言ってくれる人も居るから。」
意味ありげに瑞月を見る茉生
莉恋「私も、茉生に言いたいことがある。」
深呼吸してから吐き出すように言葉を紡ぐ莉恋
莉恋「私、茉生のことブロックしてないの。ずっとスルーしててゴメン。向き合って話すのが怖くて、自分からメールする勇気がなかっただけ。」
両手をおろして莉恋と見つめ合う茉生
莉恋も顔を真っ赤にして涙をためている
莉恋「話したいことがいっぱいあるの。また、昔みたいに泊まりに行ってもいいかな?」
ゆっくり頷く茉生
茉生「・・・今度、連絡する。」
莉恋と茉生のやり取りに、再びわんわんと泣き出す瑞月
瑞月「尊ーーーい!」
ぎょっとする三人
茉生が瑞月に駆け寄る
茉生「あー。ここはなんとかしとくから、もう二人とも、帰っていいよ。」
茉生が笑いながら瑞月の背中をさする
莉恋「まかせて大丈夫?」
茉生「ミヅキとウチは、似てるからね。」
〇茉生のタワマンの前(夕陽をバックに)
瑞月と茉生が向かい合って立っている
茉生「結成したばかりだけど、今日でバディは解散。電話帳からウチの名前も消しておいてね。
じゃ、永遠にサヨウナラ。」
瑞月「それは・・・淋しいな。」
もじもじする瑞月
瑞月「僕は友だちが少ない。」
茉生「ウチだって、友だち少ないよ。」
瑞月「ならば、名前を消さなくても良いのでは?」
茉生「まかせる。」
笑顔の瑞月 茉生に大きく手を振る
瑞月「またな。」
茉生「またね。」
瑞月を見送ったあと、電話帳の登録リストを書き換える茉生
瑞月を「バディ」から「友だち」にして、スッキリした笑顔でマンションに帰る
〇緑地帯に面した大きなガラス窓がある、書店に併設されているカフェ
店内にはジャズが流れ、窓側の1pのソファが2脚並んだ席
莉恋と天馬が並んで座っている
(天馬 白いヘンリーシャツに黒いパンツ
莉恋 ミニ丈の半袖シャツにクラッシュデニムに海外の野球チームのキャップを被っている。)
天馬「赤ちゃんは親になる人を選んで、雲の上からお母さんのお腹に飛んでいくんだって。」
天馬、本棚から持ってきた絵本を片手にコロンビアのアイスコーヒーをすする。
莉恋「指名制度ってこと?ウチは違うよ。ゼッタイ親ガチャ失敗。」
笑いながら溶け始めた甘ったるい苺フラペチーノをかき混ぜる莉恋
窓には反射した明るい店内と二人の姿が映って見える
莉恋(いろいろあったけど、イイ感じ。いつまでも、この幸せが続くといいなぁ。)
莉恋の目に、参考書を持った高校生が映る
天馬「そろそろ受験の時期か。」
ポツリとつぶやく天馬
莉恋が思い出したように切り出す
莉恋「そう言えば、天馬は進路どうするの? この前三者懇談だったから、ママが天馬と一緒の高校受けたらって、うるさくて。」
何かを言いかけて飲み込んだ天馬 手元のアイスコーヒーをこぼす
慌ててこぼれたコーヒーの処理をする莉恋
白い天馬の服に黒いシミがつく
莉恋がおしぼりで拭くが、取れない
莉恋「ダメか。なかなか落ちないよね、こーゆーの。」
天馬「ありがと。もういいよ。」
天馬、テンションが下がっている
焦る莉恋
莉恋(あれ? 天馬、凹んでるの⁇ )
気に入ったシャツが汚れたから凹んだと解釈した莉恋 ムリに笑顔を取り繕う
莉恋「このあとスポーツショップに行こうよ!似たようなシャツがあるかもだし。」
天馬「ああ・・・。」
席を立つ天馬と莉恋
上の空の天馬
天馬の服のシミがどんどん広がっていく
〇スポーツショップのサーフボードコーナー
なんとなく気まずい雰囲気を感じている莉恋
莉恋「えーと、確かこの辺に・・・あった!」
天馬が好きなサーフブランドのシャツを手にする莉恋
莉恋(天馬、機嫌直してくれるかな。)
レジ前にいる天馬
その背中に声をかけようとした時、店員の男性が天馬に話している内容が聞こえる。
店員「そういえばオーストラリア留学の件は、決まったの?」
天馬「ぼちぼちね。」
店員「4年くらいだっけ? 淋しくなるなー。」
驚いてハンガーごとシャツを落とす莉恋
乾いた音が店内に響く
天馬「莉恋・・・大丈夫?」
莉恋「なんで? 私、そんなの聞いてない・・・。」
天馬「聞こえてたんだ。」
落ちたシャツを拾い、苦しそうに吐き出す天馬
天馬「黙っててゴメン。実は俺、来年から留学する予定なんだ。」
莉恋と天馬(制服姿)・瑞月と茉生が集合する。
驚く莉恋
莉恋「茉生! 瑞月会長、茉生と知り合いだったんですか?」
不愛想な顏の天馬 わざと瑞月と莉恋の間に入る
天馬「で、用件はなんなんですか?」
瑞月「君を呼んだ覚えはない。」
天馬「あのね、俺と莉恋はつき合ってんの。」
闇堕ちモードの天馬 ポケットに手を入れて瑞月の眼前に迫る
瑞月も静かな闘志をにじませて立ち向かう
天馬「デート中に彼女を呼び出されるのがクソダリーんで『邪魔すんな』ってクギさしておこうかなーと思って。」
瑞月「それなら僕も、ひと言物申すつもりだ。」
瑞月はニヤリと笑い、宣戦布告
瑞月「全身校則違反の君と生徒の模範となるべき雪河クンの交際は、釣り合わない! 断固反対する‼」
天馬「ざけんなッ!」
瑞月の胸ぐらをつかんだ天馬が火花を散らす
莉恋「茉生、これってどゆこと・・・。」
莉恋が茉生に説明を求めるが、茉生はいつの間にか天馬の目の前
茉生「ウチも二人の交際には反対!」
莉恋&天馬「へ?」
茉生「だってウチは・・・。」
次の言葉を言いよどむ茉生に、そこに居る全員が注目
茉生「ウチは、ずっと天馬が好きだったのーーー‼」
莉恋&天馬「エエエーーー‼」
面食らい、赤面する莉恋と天馬
瑞月だけ拍手する
莉恋「ちょ、待って! 二人とも、落ち着いて!」
瑞月「止めてはいかん。好きなものを好きというのは自由だと言ったのは、雪河クンではないか!」
莉恋「あれは、そういう意味じゃない!」
顔面蒼白の莉恋
莉恋(もしかして、私、特大ブーメラン放った?)
茉生「天馬、返事は?」
天馬「い、今? えっと・・・。」
フッと真面目な顔になり、茉生に頭を下げる天馬
天馬「茉生の気持ちは嬉しいけど、俺は莉恋が好きなんだ。ゴメン。」
茉生「やっぱね・・・。」
瑞月「マァーーーオーーー‼」
突然、叫んで号泣する瑞月
ギョッとする3人
瑞月「感動した! 僕は君を、見直したぞーーー!!」
茉生「てか、アンタ馬鹿? 明らかに今は、マオが泣くターンでしょ! 」
おんおん泣き続ける瑞月に、呆れながらも泣き笑いをする茉生
茉生「不器用すぎでしょ。」
茉生に近づく莉恋
莉恋「茉生、大丈夫そ?」
真っ赤な顏を両手で覆い、その指の隙間から茉生を見る茉生
茉生「ウチは・・・ずっと莉恋になりたかったんだ。」
気持ちを吐露する茉生 その声は震えている
茉生「でも、憧れるのは今日で終わり。だってウチのこと、黙ってれば可愛いって言ってくれる人も居るから。」
意味ありげに瑞月を見る茉生
莉恋「私も、茉生に言いたいことがある。」
深呼吸してから吐き出すように言葉を紡ぐ莉恋
莉恋「私、茉生のことブロックしてないの。ずっとスルーしててゴメン。向き合って話すのが怖くて、自分からメールする勇気がなかっただけ。」
両手をおろして莉恋と見つめ合う茉生
莉恋も顔を真っ赤にして涙をためている
莉恋「話したいことがいっぱいあるの。また、昔みたいに泊まりに行ってもいいかな?」
ゆっくり頷く茉生
茉生「・・・今度、連絡する。」
莉恋と茉生のやり取りに、再びわんわんと泣き出す瑞月
瑞月「尊ーーーい!」
ぎょっとする三人
茉生が瑞月に駆け寄る
茉生「あー。ここはなんとかしとくから、もう二人とも、帰っていいよ。」
茉生が笑いながら瑞月の背中をさする
莉恋「まかせて大丈夫?」
茉生「ミヅキとウチは、似てるからね。」
〇茉生のタワマンの前(夕陽をバックに)
瑞月と茉生が向かい合って立っている
茉生「結成したばかりだけど、今日でバディは解散。電話帳からウチの名前も消しておいてね。
じゃ、永遠にサヨウナラ。」
瑞月「それは・・・淋しいな。」
もじもじする瑞月
瑞月「僕は友だちが少ない。」
茉生「ウチだって、友だち少ないよ。」
瑞月「ならば、名前を消さなくても良いのでは?」
茉生「まかせる。」
笑顔の瑞月 茉生に大きく手を振る
瑞月「またな。」
茉生「またね。」
瑞月を見送ったあと、電話帳の登録リストを書き換える茉生
瑞月を「バディ」から「友だち」にして、スッキリした笑顔でマンションに帰る
〇緑地帯に面した大きなガラス窓がある、書店に併設されているカフェ
店内にはジャズが流れ、窓側の1pのソファが2脚並んだ席
莉恋と天馬が並んで座っている
(天馬 白いヘンリーシャツに黒いパンツ
莉恋 ミニ丈の半袖シャツにクラッシュデニムに海外の野球チームのキャップを被っている。)
天馬「赤ちゃんは親になる人を選んで、雲の上からお母さんのお腹に飛んでいくんだって。」
天馬、本棚から持ってきた絵本を片手にコロンビアのアイスコーヒーをすする。
莉恋「指名制度ってこと?ウチは違うよ。ゼッタイ親ガチャ失敗。」
笑いながら溶け始めた甘ったるい苺フラペチーノをかき混ぜる莉恋
窓には反射した明るい店内と二人の姿が映って見える
莉恋(いろいろあったけど、イイ感じ。いつまでも、この幸せが続くといいなぁ。)
莉恋の目に、参考書を持った高校生が映る
天馬「そろそろ受験の時期か。」
ポツリとつぶやく天馬
莉恋が思い出したように切り出す
莉恋「そう言えば、天馬は進路どうするの? この前三者懇談だったから、ママが天馬と一緒の高校受けたらって、うるさくて。」
何かを言いかけて飲み込んだ天馬 手元のアイスコーヒーをこぼす
慌ててこぼれたコーヒーの処理をする莉恋
白い天馬の服に黒いシミがつく
莉恋がおしぼりで拭くが、取れない
莉恋「ダメか。なかなか落ちないよね、こーゆーの。」
天馬「ありがと。もういいよ。」
天馬、テンションが下がっている
焦る莉恋
莉恋(あれ? 天馬、凹んでるの⁇ )
気に入ったシャツが汚れたから凹んだと解釈した莉恋 ムリに笑顔を取り繕う
莉恋「このあとスポーツショップに行こうよ!似たようなシャツがあるかもだし。」
天馬「ああ・・・。」
席を立つ天馬と莉恋
上の空の天馬
天馬の服のシミがどんどん広がっていく
〇スポーツショップのサーフボードコーナー
なんとなく気まずい雰囲気を感じている莉恋
莉恋「えーと、確かこの辺に・・・あった!」
天馬が好きなサーフブランドのシャツを手にする莉恋
莉恋(天馬、機嫌直してくれるかな。)
レジ前にいる天馬
その背中に声をかけようとした時、店員の男性が天馬に話している内容が聞こえる。
店員「そういえばオーストラリア留学の件は、決まったの?」
天馬「ぼちぼちね。」
店員「4年くらいだっけ? 淋しくなるなー。」
驚いてハンガーごとシャツを落とす莉恋
乾いた音が店内に響く
天馬「莉恋・・・大丈夫?」
莉恋「なんで? 私、そんなの聞いてない・・・。」
天馬「聞こえてたんだ。」
落ちたシャツを拾い、苦しそうに吐き出す天馬
天馬「黙っててゴメン。実は俺、来年から留学する予定なんだ。」