「逢いたい」でいっぱいになったなら~私の片想いが終わるとき
箸を置いて、立ち上がって財布を取りに行く。
中から鍵を取り出す。

鍵をテーブルの上に置いた。
コウさんの家の鍵。

‥‥今頃コウさんは何をしているんだろう?

コウさんは何を考え、どんな結論を出したのだろうか?

出会ったときは健のことが大好きだった。
あの頃のコウさんはサッカーの上手なイケメンさんでしかも優しい人っていう印象。
健が結婚すると思って失恋のダメージを受けてた時は、コウさんがわたしのそばにいてくれた。
ずっと私と一緒いて優しくされて、笑わせてくれた。

気が付いたら、コウさんが私の心の真ん中にいた。

健のこと7年も片想いしてたのに、あっという間に私をコウさんでいっぱいにしてくれた。


私、健のことが好きだった。

健が、私のこと好きって言ってくれて嬉しかったし、告白されたのがコウさんに出会う前だったなら、両手をあげて喜んだに違いない。


でも、今の私はコウさんのことが好き。
だから過去に戻りたいとは思わない。
もしもファンタジーのように戻ることがあったとしても、もう一度コウさんにであって、もう一度コウさんと恋に落ちたいと思う。




でも、コウさんは私がまだ健のことを好きだと思ってるんだろうな。
だからもう一度考えてって言ったんだ。

‥‥優しすぎるよ。
でも、そんな優しさなんていらないよ。

優しいのはコウさんの良いところだけど、ここは違うよ。
コウさんの優しさが辛い。

私のことを大切にしてくれているのは分かる。
でも、コウさんは私がフラれたからコウさんと付き合ったと思っているに違いない。

それにしても、コウさんから連絡がない!
俺のことを選んでと言うなら、何かしら連絡するなりして欲しいと思うのはわがままなの!?

鍵を握りしめて、テーブルに突っ伏した。



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